ファッションとインテリアデザインの関係性 | Quiet Luxury
2024.06.26
ファッションとインテリアデザインは、一見異なる世界のように感じられますが、実は深い関連性があります。スタイルやトレンド、素材、カラーといった要素がどちらにも影響を与え合い、その時代の流行や文化を反映しています。
この関係性は長い歴史を持っており、特に最近ではそのリンクがますます強くなっているように感じます。2023年冬にファッション界を席巻した「クワイエット・ラグジュアリー(Quiet Luxury)」について分析してみます。
クワイエット・ラグジュアリーとは?
「クワイエット・ラグジュアリー」とは、文字通り「静かな」「控えめな」ラグジュアリーを意味します。派手なロゴや大きなブランド名を前面に出すのではなく、シンプルでありながらも高品質な素材とディテールにこだわったスタイルです。
ファッションでは、一目で高価だと分かるようなブランド物ではなく、見た目に主張は少ないけれど、着る人がその良さを知っているようなアイテムが注目を集めています。例えば、上質なカシミアのコートや、丁寧に作られたレザーのハンドバッグなどがその象徴です。
こうした「控えめなラグジュアリー」は、真の富裕層が好むスタイルであり、流行に左右されず、自分自身の価値観に基づいた選択が重視されています。
ファッションとインテリアの交わるところ
ファッションのトレンドは、インテリアデザインにも大きな影響を与えます。
クローゼットの中がカラフルでポップなスタイル一色だった時代、インテリアもまた、派手な色合いや奇抜なデザインが流行していた時期がありました。逆に、シンプルでモノトーンなファッションが流行した時期には、インテリアもミニマルなスタイルがトレンドとして現れました。
つまり、私たちが何を着ているか、どんなスタイルを好むかは、生活空間にも反映されやすいということです。
クワイエット・ラグジュアリーがインテリアに与える影響
最近のライフスタイルの変化も、ファッションとインテリアの関係をより密接にしています。
パンデミック以降、私たちは家で過ごす時間が増え、日常の空間に目を向ける機会が増えました。その中で、単に「見せるためのインテリア」ではなく、自分が心地よく過ごすための空間を求める人が増えています。これが、クワイエット・ラグジュアリーのトレンドがインテリアにも広がる一因です。
次のトレンドは「静かな品格」のインテリア
インテリアでも、静かで控えめなラグジュアリーがこれからのトレンドになるかもしれません。
見た目に豪華さをアピールするのではなく、使う人がその良さを実感できるような、洗練された空間作り。たとえば、落ち着いたトーンのカラーパレットを使いながらも、選び抜かれた素材や丁寧に作られた家具がその空間を引き立てるようなスタイルです。
これは、誰かに見せるためではなく、自分自身が心から満足できる空間を作ることに重きを置いていると言えます。
まとめ
ファッションとインテリアは切っても切れない関係にあります。
クワイエット・ラグジュアリーという静かなトレンドが、これからは私たちの住空間にも広がっていくでしょう。高価であることを誇示するのではなく、質の高さや使い心地を大切にしたインテリア選び。そんな新しい価値観が、次の時代をリードしていくかもしれません。