美容鍼灸プライベートサロン♯14|内装の考え方
2024.07.12

引き続き、美容鍼灸サロンを立ち上げるオーナー様のサロンコーディネートをご紹介します。
内装工事は順調に進み、次はいよいよ具体的な仕上げや、空間全体の調和をつくる作業に入ります。
今回は、内装の細部をどのように選び、決めていくのか、その考え方や進め方についてお話しします。
全体の調和をつくる「色と素材」の選び方
部屋の印象を大きく左右する「色」と「素材」。
特に壁、天井、床といった空間のベース部分は、サロン全体の雰囲気を決定づける重要な要素です。
面積が大きいから選んでいくと、統一感を持たせることができます。
サロンでの内装選定の工夫:
- 壁:もともとの塗壁のオフホワイトをベースに、一部にプラムレッドのアクセント壁紙を取り入れました。これにより、自然な温かみを感じる空間に仕上げています。サロン特有の落ち着きと高級感を演出するため、赤の色味、また糸が重なるような壁紙の仕上がりにもこだわりました。
- 天井:ペンキ塗りのグレーをそのまま使用。天井に間接照明を仕込むことで、昼間は柔らかな自然光を引き立て、夜には落ち着いた光が空間を包むよう設計しています。
- 床:タイルカーペットを採用。シックで洗練された印象を与えつつ、歩いた時に柔らかさ、耐久性とメンテナンスのしやすさも重視しました。
これらの要素を組み合わせることで、サロン全体に一貫性と安心感を持たせ、訪れるお客様にリラックスと信頼感を与える空間を目指しました。
ポイントとなるアイテムを引き立てる配置
空間全体の基礎が整ったら、次はインテリアアイテムや装飾品に目を向けます。特に、サロンのテーマやブランドイメージを象徴するアイテムは、視線を集める場所に配置すると効果的です。
特徴的なポイントアイテム:
- カウンター:木材とラタンを組み合わせたデザインを採用。物販や季節の飾り、ショップカードなどをディスプレイできるようにしました。
- アートワーク:施術スペースには、ラタン編みのミラーを飾ることで、身だしなみチェックだけでなく、反射して写る背景により空間の広がりを持たせました。
- 照明デザイン:エントランススペースのロゴサインを照らす陶器のペンダント照明を採用し、視線を集めるようにしました。
- 施術スペース、パウダールームでシンプルな照明デザインを採用し、それぞれの空間に落ち着きを持たせました。特に施術ルームでは、調光・調色可能な柔らかな間接光を使い、目に優しい環境を作り出しています。
これらの要素が、それぞれのスペースの個性を引き立ています。
職人さんとの協力でつくる理想の空間
モノを実際に手を動かして作る、職人さんとの連携が欠かせません。
壁紙や照明の取り付け、タイルカーペットの施工など、それぞれの工程で専門知識を持つ職人さんたちが、私たちのイメージを形にしてくれます。
特に、今回のようにアクセント壁やオリジナルの建具(パーティション)を取り入れる場合、施工前の打ち合わせが重要です。段取りができているか、事前の打ち合わせや準備で仕上がりが決まります。
素材の特性や施工方法をしっかり確認し、完成イメージに近づけるための工夫を共有することで、より理想に近い空間が実現します。
完成を心待ちに
少しずつ形になっていくサロンを見ていると、完成後の空間をイメージするだけで胸が高まります。オーナー様ともお話しする中で、「これなら自信を持ってお客様を迎えられる」という言葉をいただき、私も一層身が引き締まる思いです。
次回は、完成後の空間写真とともに、オープン直前の準備や最終的な仕上げについてお伝えします。