美容鍼灸プライベートサロン♯4|プランニングと提案
2024.03.28
引き続き美容鍼灸プライベートサロンを新しく立ち上げられる、オーナー様のサロンコーディネート実例をご紹介します。
前回の記事では、初回ヒアリングについてご紹介しました。
今回はその続きとして、どのようにプランニングを進めたか、具体的な提案についてお話しします。
空間は単なる装飾ではなく、サービスの一部として「体験」を実現する重要な要素です。 今回のプロジェクトでも、空間が提供する価値を最大限に引き出すためのデザインを追求します。
ヒアリングをベースにしたプランニング
美容鍼灸という高度な施術を中心に、リラクゼーションと特別感を提供する場です。この空間づくりでは、以下の3つのテーマを軸にデザインを進めました。
1.お客様に提供する「特別感」
プライベートサロンには、日常から離れた『非日常的な空間』を期待されるお客様が多くいらっしゃいます。ヒアリングでは「おもてなしの心」と「特別なひととき」が強調されていてました。空間全体に統一感を持たせつつ、さりげなく特別感を演出するアイテムやレイアウトを提案しました。
エントランスには柔らかな照明を使って、お客様をお迎えする設計に。施術スペースでは、静かな安心感を生む色彩とインテリアを組み合わせました。
2. 「美容」と「リラクゼーション」の両立
美容鍼灸の施術は、外見の美しさだけでなく内面的な癒しも提供します。そのため、空間にも「美」と「癒し」が調和する必要があります。
ブランドカラーをアクセントとして配置し、視覚だけでなく、触覚的にも心地よい素材を取り入れることで、お客様の五感を満たす空間を目指しました。
3.機能性とデザイン性のバランス
賃貸物件という条件では、内装工事にかかる費用や現状復帰の手間を考慮する必要があります。そのため、大規模な改装は避けつつ、デザイン性を高める工夫が求められました。
具体的には、壁紙を使用して一部を張替えアクセントカラーを採用、また仕切り用のパーティションは組み立て式で施工効率がよく、解体も容易な構造としました。これにより、パーティションを造作建具にすることでコストはかかるものの、オリジナルなデザイン性の高い空間を実現しました。
デザインのポイント
1. ブランドカラーを引き立てる演出
ナチュラルで落ち着いたトーンのブランドカラーを当面に、施術スペースには壁面をニュートラルカラーで整え、ファブリックや小物でアクセントカラーを取り入れました。
2. 照明の使い分け
空間ごとに異なる役割を持たせるため、照明も計画的に設置しました。
賃貸物件で電気工事は行わないため、現状の配線状況を活かします。
施術スペースでは、落ち着いた間接照明を採用し、心地よい影と光のバランスを生むことでリラックス効果を向上させ、安心感を演出しています。
3. 素材のこだわり
家具や小物には、籐(ラタン)やリネンといった自然素材を使用しました。
これにより、視覚的にも触覚的にも温かみを感じさせる空間に仕上げ、居心地の良さを追求しました。
サービスを重視する付加価値の提案
施術前後のひとときを大切にするため、空間の一角にラウンジチェアを設置しました。
また、壁面には植物や自然をイメージさせるアートを飾り、非日常感を演出。施術中からサロンを出るまで、心身ともにリフレッシュできる体験を重視しました。
空間が提供する「体験」の価値
インテリア空間は装飾のみに留まらず、「体験を得る要素のひとつ」であると考えています。 空間だからこそサービスの一部となり、お客様に心地よい記憶を提供する役割を担います。
続きます。