美容鍼灸プライベートサロン♯5|コンセプト設計
2024.04.02
引き続き美容鍼灸プライベートサロンを新しく立ち上げられる、オーナー様のサロンコーディネート実例をご紹介します。
サロン空間づくりにおいて「コンセプト」を定めることは、デザイン全体を形作る重要なステップです。
コンセプトとは
「①概念」や「②企画・広告などで、全体を貫く統一的な視点や考え方」を指します。
広辞苑より
この「統一された視点」を基に、空間の方向性が決まります。
今回は、美容鍼灸サロンをオーナー様と共に作り上げるプロセスの中で生まれたコンセプトについてお話しします。
コンセプトを決める第一歩
コーディネートの基本は、空間のスタイルやテイストを明確にすることから始まります。
このサロンがどのような雰囲気を纏い、訪れるお客様にどんな体験を提供したいのか、その「テーマ」を見出すことからはじめます。
最初は抽象的なイメージでも構いません。「この空間で過ごす人にどんな気持ちになってほしいか」「どんな感覚を味わってもらいたいか」などを自由にイメージしてみます。例えば箇条書きでもいいので思いつく単語を書き出していくと、共通する言葉が出てくると思います。その言葉を集めていくと方向性が徐々にクリアになっていきます。
対話から生まれた「和」のテイスト
今回のプロジェクトでは、オーナー様の中にひとつのキーワードがありました。
それは「和」のテイスト。
このアイデアは、サロンのロゴデザインが「水引」をモチーフに検討されていたことから自然に生まれたものです。
「和」の持つ穏やかさと格式を感じさせる空間づくりがテーマに据えられました。
現状の空間を活かしつつ「和」を表現
サロンが入居する物件は賃貸で、現状は以下の特徴を持っています。
- ・RC構造のグレーの塗り壁
- ・グレージュオーク調の塩ビタイルの床
- ・ラスティックなオーク材にアッシュを加えた建具
これら既存の要素を活かしながら「和」のテイストをどう表現するか、プロジェクトの中核となるデザイン課題が浮かび上がりました。
「ナチュラル × ジャパニーズモダン」というコンセプト
デザインの方向性として選ばれたのは、
『ナチュラル × ジャパニーズモダン』
というコンセプト。
和の落ち着きとモダンな洗練を融合させた空間を目指し、訪れるお客様に特別なひとときを提供できるようなデザインを意識しました。
この統一された視点に基づくことで、インテリア選びや素材の検討がスムーズになり、全体のバランスが整います。
素材とカラースキームの選定
コンセプトを基に選定した素材は、以下の通りです。
- オークの木目:和の温かみを感じさせる自然素材
- ライトグレーの大理石:モダンさを引き立てるクールな質感
- ウールのカーペット:心地よさと高級感を演出
- オフホワイトのリネン:柔らかく清潔感のあるテキスタイル
これらの素材を視覚的にまとめたマテリアルイメージボードを作成します。
このボードは、空間の色彩計画(カラースキーム)を共有する役割も果たします。
カラースキームは、目的に合った配色を体系的に整理することで、デザインの一貫性を高めるための大切なツールです。
次回のステップ
次回は、コンセプトを具体化しながら進めた内装計画やレイアウトの詳細についてお話しします。
プロジェクトがどのように形を整え、オーナー様の理想をどのように実現していくのか、ぜひご覧ください。
サロン空間づくりの物語は、まだまだ続きます。