3Dパース納品実例|想いを伝えるツール

吉祥寺に店舗を構えるスナックのオーナーさまから、「イメージが具体的に掴めない」というお悩みをいただきました。
店舗の雰囲気やデザインのアイデアはあるものの、それをどのように空間として表現するのかが見えづらい。今回は3Dパースを使ってそのイメージを形にするお手伝いをしました。

私は「オーナーさまの想いを形にする」ことに大きなやりがいを感じています。
特に、3Dパースは、オーナーさまの想像を可視化することができる、強力なツールです。
ですが、3Dパースはあくまでイメージです。色味や質感は環境によってことなるので、説明しながらイメージを共有していきます。言葉にならない雰囲気をこんな方向で進めようと見ながら確認していくために役立てています。

今回は、吉祥寺にあるスナックの3Dパース制作の実例をご紹介します。
オーナーさまの「サンプルや床はこれ、カウンターはこれと部分的に見せられても全体のイメージができない。頭で想像しているものが実際にどのような見た目になるのか」が分かりにくい、というお話から、全体をお見せするために製作したものです。

普段は、インテリアや内装のコーディネートから、家具やカーテンの納品までを一貫して行っています。その過程で欠かせないのがプランシートの作成です。このプランシートの作成段階で、デザインの全体像を分かりやすく伝えるために3Dパースを活用しています。
今回のように、ピンポイントで3Dパース制作のみをご依頼いただくこともあります。
3Dパースは、私が普段から取り組んでいるインテリアデザインの延長線上にある、重要なプロセスのひとつなのです。

このパースでは、カウンター背面にボトルを並べる棚を造作で作り、舞台へ並ぶ俳優のようなパッケージを魅せることを意識しました。
カウンターは黒の大理石で重厚感を、バーガンディなレッドカーテンにはインナーにレースを仕込むことで柔らかいドレープを演出しています。
またカウンターの奥には格子付きのミラーを設置するすることで空間に奥行きを出しました。ミラーに格子をつえることで窓のような印象になります。
白と黒のタイル張りの床を用いて「ラグジュアリーモダン」な空間に仕上げました。

3Dパースは、単に写真のような表現をするだけではありません。
広告や宣伝に使うような3Dパースではなく、今回パースに求められていたことはイメージの共有です。このパースを手にオーナーさま、施工業者さまと内容を詰めていきます。
また、デザインに対する話し合いを続けていくことで、見た目の設計だけでなく、店舗の意味やオーナーさまの想いの深さを表現できるようになります。このやり取りはその場のディスカッションで生まれます。店舗の歴史やオーナーさまのエピソードなどをきっかけにデザインに反映させたいと思うストーリーを引き出すきっかけにもなります。

オーナーさまが想い描く、店舗の未来の姿は、わたしたちが責任を持って形にしていく。
それが3Dパースを使う意義であり、なによりもやりがいのある作業だと思います。