美容鍼灸プライベートサロン♯7|アクセントクロスと色彩の効果
2024.04.08
今回は、サロンの内装における重要な要素である アクセントクロス のお話です。
空間全体のカラースキームが「オフホワイト」「ベージュ」「グレー」「ブラック」で構成される
「ナチュラル × ジャパニーズモダン」のコンセプトをベースに、
どうロゴを引き立て、空間に印象的なアクセントを加えるかを考えていきます。
初めは「色を抑えた空間」に
当初、ヒアリングの際にはアクセントカラーを取り入れない方針でした。
ナチュラルな素材感やニュートラルなトーンを基調にしたカラースキームが、サロンの洗練されたイメージに適していると考えていたからです。
しかし、色を使わない選択肢が必ずしも最良とは限りません。
空間に必要な要素が明確になるにつれ、特定の場所で色を加えることで、より深みのある空間に仕上がる可能性が見えてきました。
ロゴを引き立てるスペースづくり
打ち合わせの中で、サロンのロゴを室内にも設置するアイデアが出ました。
特に目を引くスペースとして、玄関横の壁を活用することに。もともと設置されていたシューズボックスを取り外す許可をいただき、ロゴを配置する壁面を新たにデザインすることになりました。
このスペースにロゴを際立たせるため、アクセントクロスを採用することが決定。ここから、具体的な色選びがスタートしました。
「好きな色」とインスピレーション
打ち合わせには、美容鍼灸師のスタッフの方々も参加いただきました。実際に施術を行うスタッフの方々のイメージや好みを空間デザインに反映させるため、好きな色を伺いました。
スタッフ:「ティファニーブルーのような色が好きです。」
ティファニーブルーは、鮮やかなグリーンにブルーが加わった洗練されたターコイズ調の色。明るく、幸福感を感じさせるこの色には、女性らしいエレガンスと清潔感が漂います。
しかし、さらに深掘りすると、スタッフの方々が求めているのは、「上品さ」と「洗練さ」のある雰囲気。具体的な色ではなく、そうした感覚に基づく色選びが求められていました。
東洋医学の思想から導いた「赤」の提案
ここで私が提案したのが、深紅や茜色のような赤です。この提案にはいくつかの理由があります。
1. 五行思想に基づく「赤」
東洋医学の根幹をなす五行思想では、「赤」は五色のひとつとして、「心」(心臓)を象徴します。
私はこの「心」に身体に携わる鍼灸の人を想いやる優しさ、常に学び活かしていく情熱、触れ合うことの温かさを感じました。
2. サロン空間の温もり
「赤」は視覚的な温かさを与える色です。寒さが気になる半地下空間に、温もりを加える効果があります。また、深みのある赤はナチュラルな素材感とも相性が良く、空間全体に落ち着きと洗練さをもたらします。
アクセントクロスの完成イメージ
アクセントクロスとして採用した赤系の色は、深みのあるトーンで、
ブランドロゴを引き立たせると同時に、空間の中に「芯」を感じさせる効果を狙っています。
具体的には
クロス素材:落ち着いた質感のもの(マット仕上げ)
色味:茜色をベースに深紅を少し混ぜたような大人っぽいトーン
ロゴのベースをホワイトにすることでコントラストが際立ち、一目で印象に残るデザインを目指しました。
サロン空間は、こうした小さな選択の積み重ねで形作られていきます。
内装デザインを通して、オーナー様やスタッフの方々の想いを表現するこのプロジェクト。
次回もどうぞご期待ください。